木は朽ちるもの。
皆、知っています。
建築もそうですが、街並みを構成する塀にも、かつては板塀や竹垣をよく見かけました。
腐るから、古くなるから、きたなくなるから、木の代わりに金属やコンクリート、プラスチックなどの石油化学製品を使います。
建物や塀を作る時に、いつまでも新品のようにきれいなままで・・・って思いますよね。
でも、考えて下さい。変わらないということは、何か変なことではないでしょうか。
月日が経てば建物だって相応の表情になり、まして自然の素材であれば、年月を感じる風情や味わいが必ずでてきます。
たとえ木が朽ちても、板材なら安価で、容易に新しくできます。壁土は古くなれば削り落とし、新しい壁土を加えて繰り返して使えます。
木や土、竹などの自然素材はいつか朽ちてしまいますが、身近で、永い間安心して使い続けてきた優しい建築材料なのです。
自然素材の長所、そして短所を理解いただき、一時の流行ではなく、末永く使い続けられることを願います。