ATS造家設計事務所

教えることを、教えて下さい

精華・学研都市にある「私のしごと館」建築家ブースで、建築家の仕事を紹介する講師をさせていただいています。
ある建築家の京都事務所に努めていた経験を持ち、現在も二人で設計の仕事をしている、私の家内と交代で、ひと月に1,2回担当しています。
同館の成り立ちや運営については、いろいろな意見があるようですが、それはさておき、ここでは子どもたちと接する時の、現場のお話を・・・。

約1時間で、簡単な紙模型の製作や、パソコンを使った設計シュミレーションを、中高生を対象に体験してもらいます。休みの日などは、ご両親と一緒に小さな子どもたちもブースを訪ねてこられ、質問などにもお答えしています。

将来、建築家になりたい、という積極的な子どもたちと過ごす時間は、こちらも楽しいのですが、問題は、その気のない子。
修学旅行や総合学習などで、学校から強制的に割り振られて来る子どもたちは、あくびをしながらブースに入ってくる。
話しの下手な私は、精一杯のエネルギーを発散して、子どもたちに話しかけ、なんとか聞いてもらって作業を進めている状況です。

これを毎日、本来の仕事にしている、教育現場の先生はたいへんでしょう。大人のずるさ、やる気のなさ、逃げを感じたら、子どもははなれていきます。親御さんやPTA、教育委員会との調整も必要。声を張り、力一杯の真剣勝負を毎時限していたら、体が持たない・・・。

”建築家の仕事は本当に面白いです。建築家に限らず、大人になっても自分が楽しいと思える時間を過ごして下さい。そのために今、何をするかがとても大切なのです。今は永遠に続くとしか考えられない「あなたの時間」には、限りがあるのですよ。”

教えて下さい。
虚ろな目の子どもたちに、他になんと言えばよろしいでしょうか・・・。