山門から本堂を望む
本堂:木造平屋建て 延べ面積 128.87㎡(38.9坪)
庫裏・書院:木造2階建て 延べ面積 229.13㎡(69.3坪)
本来は吹きさらしの渡り廊下で本堂と他の建物を繋ぐ例が多いのですが、近年はやはり外気に触れずに行き来できるほうが良いようです。
そうなると難しいのが屋根の納まりで、本堂の美しい屋根と書院の屋根の縁を一旦断ち、渡り廊下の屋根のレベルを低くして本堂の軒下に潜らせます。
現場での微調整に、大工さんにも何度も無理をお願いし協力していただきました。
本堂向拝
向拝の柱と本堂を繋ぐ海老虹梁という、うねった横架材です。
昔はこのような自然の木を探してきて使ったようですが、現在では四角い材料からこのような形に切り出すことが多くなりました。
向拝には凝った彫刻や組物、虹梁で装飾を施し、御堂の「顔」を調えます。
緩勾配の山門ですが、規模に見合った優しい表情の屋根です。
解体・修理の後、屋根瓦を新しくして生き還りました。
庫裏、書院玄関
いらっしゃいませ と手をついてお客様を迎えるホールには、畳が敷いてあります。
目の高さ、床の高さを考えることが日本建築の本質で、座る(正座する)生活がそこにはあります。
なんでもかんでもバリアフリーではいけません。
せめてお寺に来たときは、子供たちに正座をさせてはいかがでしょうか。