ATS造家設計事務所

清林寺 瑞雲院 本堂修復・耐震補強工事 その2

 

ワイヤーを柱にかけて、傾斜を矯正します。
1箇所矯正すると、他の柱も動きますので、なかなか難しい作業です。
様々な方向からテンションをかけ、建物全体を見ながら垂直に戻していきます。

 

 

 

腐朽した部材は交換し、金物で緊結します。

 

 

 

 

火打ち梁という斜め材を追加し、耐力壁が均等に地震力を負担できるようにします。
新しい材木は、天井裏に隠れて見えません。

 

 

 

深い軒が下がらないように、桔木(はねぎ)という天秤棒を追加します。

 

 

 

腐っていた柱の脚元を新材に交換します。

 

 

 

床下は、既存の柱を繋いて一体化し、地震時に各柱がバラバラに動かないようにします。

 

 

 

 

柱の交換作業。
柱一本だけ交換すれば良い、というものではなく、周辺の部材や壁などもやり替えます。
たいへんです。

 

古い柱の腐朽状況

 

 

 

瓦屋根は、葺き土をおろして、ステンレス板にシルバー塗装をかけた金属屋根に葺き替えます。
箕甲の本掛け瓦は、木材で一つ一つ瓦の形を起こして、板金を合わせて被せます。
手間のかかる作業です。

 

 

 

 

完成した屋根は、瓦屋根と見分けがつきません。
鬼瓦は、既存のものを補修し、再利用しています。