雪深く、野生の猿や鹿と日常的に遭遇し、鳥の声がいつも聞こえる自然豊かな環境です。   滋賀県は新旭町、棚田を見下ろす山裾の高台。 近くの民家は2件だけの「恵まれた」敷地です。   別荘ではありません。 お子さんの通学には少し遠いですが、4人家族が毎日暮らすお住まいです。     琵琶湖を望む建物を何件か・・・

訳あって、モデルチェンジしたXC90をお借りすることができ、出席しないといけない会合がある和歌山までドライブ。   長さ4950×幅1960×高さ1775mm、重量2.1トン 堂々たる寸法、見た目の迫力は、抜群です。 車両本体価格 ¥8.790.000也。   感想を、一言だけ。 いい車です。お高いですけど・・・・・・

人と同じく、モノにも縁があるようです。   お気に入りの手袋を なくしてしまいました。 手汗をかくので、車の運転時や自転車にのる時に重宝していた、黒い手袋。 ネットで買った安モノですが、掌・指にフィットして なんだかいい感じ。 サングラスを掛け、手袋はめて黒い車から降りる姿は、殺し屋みたい。 と、一人いきる私。     どうや・・・

  音や振動、その臭いも含めて、内燃機関が大好きですので、電気で走る自動車には私、食指が動きません。 でも時代は、ガソリン臭くて古~い自動車に高い税金をかけ、燃費の良い新しいクルマを優遇し、推しています。   燃料電池自動車は、バッテリーに蓄えた電気ではなく、水素と酸素を使って発電しながら走りますが、モーターでタイヤを駆動させるのは、従・・・

  湖西の風景 大好きです。   現場の帰りに立ち寄り、静かでゆっくり流れる時間を 少しのあいだ過ごします。 気持ちが高揚するような色彩はいっさい無く、寒くて、寂しくて、どんよりして。 だから冬の景色は なんか、いい。     葦はアシなのですが、悪しに通じ縁起が悪いのでヨシと読みます。 建築では茅葺き屋根(かやぶき・・・

  延べ面積は、約80㎡(24坪)   建築制限が厳しい密集した住宅地の中でも、光を採り入れ、通風も期待できるお住いです。   床下・階段・屋根裏スペースをできる限り利用し、収納にも工夫を凝らしています。             キッチン上部は吹抜けにして、南に面した・・・

  中庭。・・・いいですね。 時代や洋の東西を問わず、都市空間をとても魅力的にしてくれる建築手法です。 光・陽射しとともにある毎日の暮らし、見上げれば空は高く、雨や雪の日もまた趣深い。 植樹があれば、花や紅葉・落葉で季節を感じられ、 風にそよぐ枝葉を見るだけでも心地良いものです。 そうです。 中庭があると、小さな自然を手に入れることができるのです・・・

    築35年のお住まい  2階寝室のリフォームです。   窓にはカーテンを用いず木製の内窓を追加することで、落ち着きのある室内デザインとし、断熱性の向上も図ります。 床材は、幅広のナラ無垢材にオイル塗装を施したもので、見た目や踏み心地はとても良いものです。     壁とあわせたデザインの建具を引き分ける・・・

信楽の「作家市」で、気に入って買い求めた、土鍋とビアカップ。   山本泰三さん作       土井雅文さん作   ともに青系の釉薬を施していますが、山本さんの青は深く、土井さんは清廉です。 見飽きず、そして手に取れば優しい。 ここちの良い色、デザイン、手に伝わる感触・・・。こんな器でいただく食事は、心も美・・・

木造平屋建て 延べ面積102.49㎡(約31坪)の高齢者バりアフリー住宅。 土地は長年営んできた、銭湯の敷地跡です。   各室ごとに中庭を配することで、陽射しを導くと共に、風の通りを促し、場所によって其々趣の異なった心地良い空間になっています。 家の中のどこにいても屋外の景色や様子、庭の植栽や木々の葉音・揺らぎを感じながら日々の暮らしを送ることが・・・

  【牧野富太郎 記念館本館・展示館】  設計は、内藤廣建築設計事務所   有機的な建築。 設計も施工も、これはもう、とってもたいへん。 1本として同じ寸法、同じ断面形状の梁は、なさそう・・・ 取付位置、方向も全部違う。 屋根の棟は、三次元を駆けまわり うねっている。 それだけではありません。そう、美しい。 大きくても小さく・・・

【雲の上のホテル・空中歩廊・ギャラリー棟】 設計は、隈研吾建築都市設計事務所 面白い。 通過するだけのスペースに注がれた、建築への情熱と大金。 夜にこの渡り廊下を歩くと、非日常感が溢れます。(上右写真) ライトアップされた単純な木組み、社寺建築にも通じる持ち送り構造の見上げはなかなかのもの。 隈研吾さんの初期の作品、イオニア式の柱頭を模した「M2」が全く好・・・

ここしばらく、忙しいの上に超ウルトラ・スーパーがつく状況で、ブログの更新は少しごぶさた。 リクエストにお応えして、やっと近況報告です。 もともとがパソコンは苦手のアナログ人ですので、ご勘弁のほど。     久々の建築と椅子。今回はオフィスチェアーの巻。   大汗をかく肉体労働は大変だけど、一日中おすわりしているデスクワークもま・・・

  12年前に設計させていただいたお住いです。当時赤ちゃんだった子供さんも個室が必要になる年齢となりました。 ワンルームだった3階をご夫婦の主寝室と子供部屋2室に仕切ります。 限られたスペースなので、少し高い目の天井高を利用してロフトベッドを作り、 少しでも各室が広く感じられるよう、大きなスライドドアで柔軟に空間構成を変えられるようにしています。・・・

今年は「LED灯籠流し」ではなく、趣向を変えて「水の上の家」です。       子どもたちにものづくりのプロセスや創造性の大切さを 建築の設計と模型製作によって体験してもらいます。 製作後、教室で作品発表会を行い、作品は高瀬川に展示し通行する方々にも楽しんでいただきます。 (建築と子供たちの活動の詳細は、日本建築家協会(JIA・・・

当初は室内だけのリフォームの予定でしたが、予算内に収まりましたので、外観デザインもガラリと変えることになりました。 リフォーム前の外観     縦格子の断面は四角い矩形ではなく、斜めにテーパーをとって前面の先端を細くしています。 手間のかかる加工なのですが、近くで見ても繊細な格子の印象が際立ちます。 また格子は細く、そしての間隔が密なほ・・・

【松山ITMビル】  設計は、伊東豊雄建築設計事務所 愛媛の銘菓 一六タルトの事務所ビルです。 伊丹十三さんはこちらの社長のお知り合い。 というわけで伊丹さんは一六タルトのCMに出演し、伊丹十三記念館の敷地は一六タルトが提供し、 隣地にこのビルがあるという関係性。 見学する私は、近くて助かります。 都会的なメタルワークが印象に残る、綺麗な建物でした。 &n・・・

【坂の上の雲ミュージアム】  設計は、安藤忠雄建築研究所 三角形の平面を持つ珍しい建物。 中央部の展示室の面積と比べて、周囲を囲む廊下スペースの無駄さ加減がケンチクしてます。 三角の頂点部分は、基本的にデッドスペース。 そう、この一見無駄と思われるスペースこそ文化なのです。 税金は文化に費やされることを目的の一つとしています・・・。   &nbs・・・

【SKK松山】  設計は、宮崎浩/プランツアソシエイツ   松山駅近くにあるオフィスビルです。シンプルで端整な、いでたち。 金属製の目隠しスクリーン 完成当初は、さぞ美しかったことと思います。             【伊丹十三記念館】  設計は、中村好文+レミングハウス ほのぼの暖か・・・

  ホテルに帰るまでの少しの空き時間、閉園前の夕方、駐車場に車はなく もちろんひと気もない。 雨模様だし、期待もせず何気なく立ち寄ったモエレ沼公園 http://www.sapporo-park.or.jp/moere/index.php  ですが、印象に残りました。 ガラスのピラミッドは、綺麗なディティールとシャープなデザインの心地の・・・

何でも自分でやりましょう と、いちばん最初は切れたブレーキワイヤーの交換、次はディスクパッド、スリックタイヤもゴム層が薄くなって下地が見えてきたのでチューブと一緒に交換。 消耗品は殆ど取り替え、大丈夫なのは変速機のワイヤーくらいです。 これももうすぐ切れるだろうと、新しいワイヤーを買ってきてシフトレバーを分解しようとビスを緩めたら、バネが跳び出して、正体不・・・

舞鶴市役所のすぐ横、最近倉庫周辺が綺麗に整備されたのでしょうか、良い雰囲気になっています。 有名観光地にはなっていないので、イベントなどがない平日は人も少ないようです。 たくさんある赤レンガの建物の中で旧日本海軍の魚雷庫だったという赤レンガ博物館は、リベット接合と圧延鋼材を用いた日本最古の鉄骨造の一つだそうです。       ・・・

  本の内容は決して難しくなく、むしろ分かりやすいのではないでしょうか。 「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」は、建築設計を志す者が常に心のどこがで意識をすべき言葉のように思います。 翳りを見据えて物事を考えることは、そのままの自然を受け入れることができる日本人には大事なことです。   明るくてよく見えることは良いことであり、これは誰も疑う・・・

京都の北部、綾部市にある君尾山光明寺 仁王門。   遠景は写真のようにとても綺麗ですが、近くに寄るとディティールは大雑把なので古い年代の建物のようです。 人影もなく、すぐ後ろには伽藍もなく、山中にひっそりと佇み、寂し気な様子の山門なのですが、なんと国宝だそうです。 その建築様式と年代が国宝に選定された理由とのことですが、もう少し人が集まる工夫はな・・・

平成の京町家モデル住宅展示場(河原町塩小路)が、11/3にオープンしました。 これを記念して「プロでも意外に知らない木の知識」というセミナーをコンソーシアムで企画しました。 12/15 13:30からメルパルク京都で開催されます。その後展示場の見学会もあります。 皆様、是非お越しください。 また来年1/17には、阪神・淡路大震災から学ぶ耐震セミナーが、14・・・

スチール(鉄)は安価で加工がしやすく、ソリッドな素材感を強く感じられる金属ですが、すぐに錆びるのが難点です。 錆が出たスチールもなかなか味があるのですが、一般にはあまり好まれません。 そこで錆を防ぐために様々な塗装を施すことになります。 熱で溶かした亜鉛のプールにスチールを丸ごと浸けてコーティングする亜鉛めっきは、スチールとの相性もよく、一見ムラのある塗膜・・・

日本建築家協会 京都会の活動は多岐に渡りますが、今回会員向けの勉強会を企画しました。 私が所属しております、「欠陥住宅京都ネット」でお世話になっている弁護士さんをお招きし、判例をもとに法律の解釈や考え方の意見交換をさせていただきました。 私たちは、ただ「住みよい家、すぐれた建築」を設計するだけでなく、様々な事柄に気を配り、日々細かな努力を積み重ねてゆかなけ・・・

  11月17日(土)、18日(日)、イオンモール京都五条(ハナ) 3階 イオンホールにおいて、エスリンクさんの建築家展覧会が開催されます。(11:00~18:00) 数組の建築家と共に私もパネルや模型を出展させていただいてますので、是非お越しください。 二日間、私も会場におりますので、声をおかけください。1千万円台で建てる家の提案もしております・・・

  日本建築家協会では、市民が建物の耐震化への一歩を踏み出せるよう「耐震ネットワーク組織」の立ち上げに協力させていただき、この10月から専門家を派遣するシステムが始まることになりました。   京都市すまい耐震支援窓口:http://www.kyoto-jkosha.or.jp/taishin/pro.html#kenchikuka 耐震・・・

来週末 10月27日(土)、28日(日)、みやこめっせ 地下1階 展示場B (京都市左京区岡崎成勝寺町9-1 075-762-2630) において、エスリンクさんの建築家展覧会が開催されます。 数人の建築家と共にパネルや模型を出展させていただいてますので、是非お越しください。 二日間私も会場におりますので、声をおかけください。ゆっくり建築のお話をさせていた・・・

滋賀県高島市に建設中の木造保育園     「公共建築物等木材利用促進法」が2010年10月に施行され、低層の公共建築物はすべて木造とすることになりました。 これまで原則として鉄筋コンクリート造や鉄骨造であったことを考えると、大きな方針の転換です。 木の良さ、強さが本腰を入れて見直されてきたということでしょうか。 ただ中~大規模建築になり・・・

鈴虫寺は、休日には行列ができるほどの観光寺院で、一年中鈴虫の鳴くこの客殿は、1990年に私が設計を担当させていただいた、思い入れの深い建物です。 二十余年の月日を経て、外観は西山周辺の自然にとてもよく馴染んでいます。   耐震診断の依頼を受け、床下や屋根裏にも入りましたが、材木は昨日竣工したかのように時間の痕跡がなく、老朽化など どこ吹く風の艶や・・・

  蓬莱山がすぐ近くに見える和邇(わに)の高台にあるこのお住まいは、琵琶湖を眼下に一望できる素晴らしい環境にあります。 子供部屋は小さくても構わないと建て主のご主人と意見が合い、ロフトに4.5畳ほどのスペースを二つ作りましたが、子供さんには不評のようです。 ・・・小さくても自分の部屋があるだけで幸せというもの。いつか大人になったその時に自分の納得・・・

今年は子供たちがつくる「光るタワー」です。 (建築と子供たちの活動の詳細は、日本建築家協会(JIA)京都会のサイトをご覧ください)         京都市内 公募の小学生20数名が、学生さんや日本建築家協会(JIA)京都地域会の有志メンバーと一緒に、LEDを使った光るタワーを作ります。   &nb・・・

私は単純な連続作業が好きです。 畑の雑草抜きなど その最たるもので、キレイに雑草を抜いたところで誰も喜ばないし、家族だって気付かない。でも、 腰の痛みに耐えながら、緑色から土色に変わった畝を眺めて ヒソカニ微笑む私。   話題は成長が早くて育てるのも簡単な、夏野菜。 獲れたての実を 冷やして食べるのが当たり前においしい。    ・・・

京都市では行政・民間が力を合わせ、木造住宅の耐震補強や京都の街並みの具体的な未来像に向かって本腰が入ってきました。 耐震補強工事のための助成金は以前からありましたが、手続きや条件が現実的ではなくほとんど利用はありませんでした。ところが 今年度に入って屋根を軽量化する、建物の四隅の壁を補強するなど一定の条件を満たせば簡単な申請で即日助成金の決済が降・・・

基礎や木造部分の耐震補強と共に 海眼寺 庫裏のリフォーム工事、完了です。         左:2階リビングルームの和室、           右:住職の執務スペース       様々な事情により全面・・・

  先日三重県に行った際、古い友人の木工職 油田陽一朗さんを訪ねました。 山里の工房は木立ちに囲まれ、うらやましいほど素晴らしい環境です。 窓から見える樹々、風に揺れる葉を感じながらしばし時間と現実を忘れて歓談。 写真は、少し前になりますが、奈良で設計させていただいた家のダイニングテーブルと椅子。もちろんこの世に一つ、湯田さんの手造り作品です。 ・・・

  地元 綾部の和紙職人 ハタノワタルさんに和室の壁そして家具の表面に黒谷和紙を貼っていただきました。 ロール状になっている和紙クロス製品ではなく、約60cm四方の手漉き和紙を一枚一枚ジョイントを重ねて貼っていきます。 和紙そのものの色や素材感に加えて、紙の端っこの繊維がルーズなままなのも味わいがあります。   左:作業をするハタノさん・・・

三条高倉の京都文化博物館 別館において、3/16(金)から3/18(日)まで、時間は、10:00~18:00(18日は17:00まで)、「100%Architects」-建築家がつくる夢-というテーマで、建築家作品展が開催されます。   レトロな雰囲気の会場で、模型やモックアップなどアート感覚あふれる展覧会をお楽しみ下さい。 作品展の詳細はhtt・・・

さわり心地というものは、とても大切だと思います。 建具の取手、引手、階段などの手摺、テーブルの天板、椅子、そして床板 等々 これらの材に神経を行き渡らせて、少しでもやさしい手ざわり、足ざわりになりますと気持ちもやわらかくなって、心が穏やかになります。 とっても地味なことなのですが、毎日使う(触る)家族にしか分からない悦びがそこにはあるような気がします。 手・・・

  仕事場の打合せテーブルに座ると、空が見えます。 碧色に淡く輝き、雲は刻々と流れ、一日の終わりには夕陽が射し込み 壁を朱に染めます。 ガラス窓を通して聞こえるのは、風にそよぐ木々の葉音。   陽射しを受け、うす緑に包まれた樹と青い空を ぼーっと眺めて 穏やかに何も考えないで過ごす、ひととき。  気持ちが、心が丸くなりだんだん小さくなっ・・・

設備や建築資材をインターネット購入することにより「施主支給」とし、建築コストを落としたお住まいが完成しました。 インターネット取引のリスク、荷受け時の小運搬や引渡し後の不具合に対する対応、補償など、「施主支給」のデメリットを十分理解し注意しなければいけません。 発注のタイミングや梱包の解体、現場での仮置き場など、工務店と詳細に打ち合わせをして連携をとりなが・・・

設備や仕上げのリフォームに加えて耐震補強工事を実施します。 建物全体に、揺れを許容しながら構造材の脱落を防止するボルトや簡易な金物を取付け、要所に下記の仕口ダンパーを設置します。 ハイテク補強金物の「仕口ダンパー」 三角形の鋼板と鋼板の間にゴムのような粘弾性体を挟み、これをせん断変形させることにより、地震や風荷重のエネルギーを吸収して木造建物の変形を抑制しま・・・

建築が趣味でもありますので 急ぎの仕事がないときは、あちらこちらへ散歩に出かけます。 写真は大阪 天王寺にあります、一心寺仁王門。 鉄の骨格とガラス屋根で覆われた黒い物体で、よーく見ると尋常な建築物ではないのですが境内の木造寺院建築群と違和感がありません。 コンセプチュアルに形や色彩を変えて対比させるのではなく、調和を旨としつつもタダモノではないですよ感に・・・

いつものように、知らない街の福知山をぶらぶら。 江戸時代には城下町として、明治維新以降は紡績の町として栄え、道路は江戸時代の町割がほぼそのまま遺されてるそうです。 町の周縁には寺院を集めて寺町とし、鋳物師町や呉服町など当時を偲ばせる地名が残っています。   左:城下町である福知山のシンボル、福知山城。一層目より二層目のほうが張り出していて面白い形・・・

草津での設計はこれで3度目ですが、知らない街で設計するときは、時間の許す限り街をぶらぶら歩いてその土地の雰囲気といいますか 空気感を肌で憶えるようにしています。   左:草津宿本陣 草津は東海道と中山道が分岐、合流する交通の要衝に位置する宿場町で、この本陣はそのシンボルです。 右:本陣裏の小径 管理、整備はしているけれども ほったらかし感のある、・・・

高齢の母が住む、平屋の庵(いおり)です。 ガラス屋根をつたって落ちる雨垂れは見飽きずそして楽しく、雫庵(しずくあん)と名づけました。     建物に降った雨はすべて大地を潤し、木々の命をはぐくみ空に還ります。 雨の日にはそんな自然のサイクルを感じ、晴れた日は太陽の恩恵に与る。 夏には風を誘い込み、屋根の熱気を放出し、冬には暖まった室内の・・・

「かんでん 住まいの設計コンテスト 2010」に引き続き、トステムの実作設計コンペにおいて、TH大賞 審査員奨励賞をいただきました。 建築設計の巨匠、高橋てい一先生にご推薦いただいたようで、喜びもひとしおです。 コンペのために費やすプレゼンテーションの時間が惜しくて今まであまりこのような機会には縁がありませんでしたが、日々の仕事を「良い建築だよ」と褒めてい・・・

(社)日本建築家協会近畿支部 住宅部会に所属する、関西の建築家56人を紹介しています。 第1版は18年前の1993年6月に発行され、これが6冊目となります。 初版は白黒で写真も洗練されていないものが多く、まだまだ一般に知られてはいなかった建築家の仕事を丁寧に説明、紹介しており、手作り感溢れる一冊でした。 今回は編集や構成をプロの方に依頼し、すっきりとした作・・・

大勢の関係者が集い、本堂、書院・庫裏、山門の完成を祝い、ご本尊にご報告、感謝申し上げました。 社寺建築では地鎮、立柱、上棟、落慶と、建築にかかわる昔ながらの儀式に参列させていただくことができます。 現在では簡略化されることが多いこのような式典ですが、お経や祝詞を聞きますと心が落ち着き、気も引き締まります。     ・・・

実が赤くなり甘くなってきた頃に 毎年野鳥が食べてしまいますが、今年はたくさん残してくれました。 少し酸っぱくて小さなさくらんぼですけれど、年に一度の収穫に家族も笑顔です。   ・・・

  「かんでん 住まいの設計コンテスト 2010」という実作設計コンペにおいて、十八間堂が佳作をいただくこととなりました。 建て主さんご家族から評価をいただくだけで十分なのですが、建築設計に関わる先達の方々から評価していただくことは、とても名誉で嬉しいことです。  コンテストにエントリーする、しないにかかわらず、日常の仕事すべてに対して・・・

  京都市南区吉祥院の古刹 浄土宗西山禅林寺派 持宝寺 伽藍全体の建て替え、山門の解体修理・移築工事の完成です。   築後百数十年以上経つ ご本堂は、その役目を完遂し次の世代へとバトンタッチとなりました。 新たな御堂への期待もさることながら、まずは大役を果たし寿命を全うしたご本堂に合掌。     山門も決して良い状態・・・

基本は建物に通風、遮光、採光および遮熱、蓄熱の工夫をした上で・・・ 夏を涼しくすごすには簾やよしず、落葉樹を植え蔦を這わせ、打ち水、風鈴、うちわ、蚊取り線香などなど季節感も楽しみのうちです。 それでも我慢ができない場合に扇風機、あるいはエアコンでの冷房が定番なので迷うこともないのですが、一方で冬の暖房方法は、いつも悩みの種です。   ヒートポンプ・・・

大浴場 京都駅の正面北側にある建物は、鉄筋コンクリート造 5階建ての旅館、 17年前の竣工です。 今回は大浴場・宴会場の改装、および全館の建築・空調・給排水・電気設備のリニューアルです。 浴槽など積載荷重も増えるので、構造的なチェックを行い 鉄骨で床版の補強も実施します。 旅館を休業しての工事期間は二ヶ月、夜間作業もいとわない厳しい現場でしたが 関係者の協・・・

今年は「子供たちのLED灯籠流し」です。 (建築と子供たちの活動の詳細は、日本建築家協会(JIA)京都会のサイトをご覧ください) 京都市内 公募の小学生17人が、京都芸術デザイン専門学校の学生さん、そして日本建築家協会(JIA)京都会の有志メンバーと一緒に、LEDを使った創作灯籠を作ります。 高瀬川沿い 旧立誠小学校のエアコンの無い教室で二日間汗をかきながら・・・

間取りは、家の使いやすさを決定する大切な要素です。 家族構成や要望が多くなると、間取りも複雑になりますが、コストを抑えようと思うとシンプルな四角形が一番安価です。 この四角い箱に建て主さんの要望を収めて、いかに使いやすくできるかがポイントになります。 そしてその四角い平面が建築的に面白くなるかどうかは、断面設計で決まります。 退屈な平面図でも大丈夫。私たち・・・

奥行きがとても長く、十八間(約33メートル)ありますので、「十八間堂」という名前がつきました。 階段の無い平屋の建物に感じる心地良さ、地面に近いゆえの落ち着き感は、なんとも言えず 良いものです。 人の持つ とてもあたりまえの欲求が満たされているからなのでしょうか。 身の丈に合っている というような、そんな気がします。 屋根の支え方には ひと工夫こらし、構造・・・

大津にある園城寺(三井寺)は、桜や紅葉がきれいですが、金堂の檜皮葺き屋根も美しいと思います。 建物正面から少し離れてご覧ください。 あの大きなスケールの屋根をなんと かろやかに、そして流麗にみせていることでしょう。 少し高い位置に取り付けられた高欄も良いバランスです。 時代を超えた棟梁の、デザイナーとしての力量に敬服するばかりです。   &nbs・・・

左官の壁は、日本建築の象徴です。 割り竹を縦横に組み、縄を巻き、藁すさの入った壁土を塗り込みます。 下塗り、中塗りの後、できれば一年くらい乾燥させて仕上塗りを施し完成です。 ソリッドで、芯までそのものである土壁は、拳骨で軽く叩くと心地良い音が返ってきます。 伝統建築の特徴は粘り強いこと。軸組みが斜めに傾きながら地震の力をいなします。 それには柱と柱の間を横・・・

建築設計の巨匠 吉村順三さんがお好きだという、建て主さんご夫婦の住まいです。 ・・・これは、手ごわい・・・。 なぜって?吉村さんの建築は、一見普通なのです。 すごく普通でさりげないのですが、デザインや寸法の一つ一つに理由があり、これが、とてもいいんです。 押し売りのデザインが、どれほど品格の無いものか、実作を通して手本を示されています。 そんな吉村さんの作・・・

タイトルの通り、敷地は空と田んぼが視界のほとんどを占める、近江八幡の市街化調整区域です。 建物の高さを低く抑えて、琵琶湖からの厳しい風雪をやり過ごし、軒を大きく出して外壁を守ります。 幾重にも屋根庇を折り重ねた、平屋で一部2階建てのフォルムは、この田園風景に良く似合います。 内部の壁と天井は、本格的なドライウォール工法。 均一でシンプル、美しいと感じます。・・・

10月1日~4日まで、日本建築家協会の全国大会が、京都・岡崎公園(みやこめっせ・京都会館等)で開催されました。 全国の建築家が集まり、さまざまなシンポジウム、展示や会議が企画されましたが、その中のイベントとして、今年は京都市内の7校の小学生たちと「現代鉾」を創ることになりました。    小学校での仮組み 数十回の下打ち合わせや会議を経て・・・

ローコストはいつものことなのですが、このお住まいは超ローコスト。 市街化調整区域での許認可に始まり、前面道路幅は2mそこそこで軽トラしか入らない。 既存建物の解体をしないといけないし、おまけに地盤も緩い。 施工していただいた亀岡の大工さんをはじめ、職方さんにただただ感謝です。 コストを抑えるため、設計での工夫はもちろんなのですが、限界を超えた場合は施工に携・・・

京都文化博物館別館において、6/25(木)から6/28(日)まで、時間は、10:00~17:00(25日は12:00~17:00)、「受け継がれる建築の佇まい」-地域の特性を生かして-というテーマで、建築家作品展が開催されます。 木組みの床と高い天井、会場となる別館ホールは、とても雰囲気の良い空間です。 赤いレンガ造りの旧日銀京都支店の建物には、当時の受付・・・

ニッサン GT-Rに、抽選で乗れると聞き、応募しました。 車好きなら、一度は乗ってみたいでしょう、 公道を走ることができる、レーシングカーという特殊な位置づけの車です。 琵琶湖一週、約300kmを嫁さんとドライブ。 今はやりの、クラッチ操作のいらないミッション車で、 オートモードもあって運転はとても楽ちんです。 天井知らずの加速を止めるのは、道路の状況と自・・・

実物大の図面を原寸図といいます。 近代建築では、原寸の立面図を作成する機会はあまりありませんが、寺院建築では必ず原寸図を描き、屋根の垂れ方、軒先の反り方、細かな部材の寸法、構造材の納まりなどを確認し、図に合わせて型板を作り、その型板を材木に当てて削り出していきます。 こんな仕事を知ってしまえば、大工はやめられないでしょう。 できることなら設計だけでなく、技・・・

万年筆は、道具としてとても興味をひかれますが、インクがまた、これに優るとも劣らず面白い。 ペン先をボトルに差し入れ、インクを吸い込むという、手間なことが楽しいのだから困ります。 色やメーカーによって書き味も変わり、好みの色を調合するのもまた楽しい。 インクボトルのデザインは、凝ったものからその気のないものまで、各社さまざまで、美しいボトルから吸い取ると、イ・・・

太い字が書ける万年筆がほしいな、と思い始めてから、もう何年経つでしょうか。 軸も太く、重さを感じる万年筆が好みです。 今はセーラー万年筆のプロフィットという普及品を使っています。 もとより、筆記用具は商売道具。安物はいただけません。 プロフィットは、普及品といっても価格の設定を低く抑えてあるというだけで、グレードは高いように思います。 文字もスケッチも気持・・・

丸柱と枡組のオブジェが目印の外観                   とろろ昆布のような鉋屑。 匂いも嗅げます 神戸の竹中大工道具館では、現在「削る」をテーマに、鉋(かんな)の特別展を開催しています。 日本の大工技術の素晴らしさは申し上げるまでもありませんが、それは大工道具の進化にささえられています。 鉋だけではなく、板材を拵える大小の鋸(のこぎり)、仕口の・・・

メディアにもよく出てくる、フランスの建築家コルビジェ デザインのLC4「シェーズロング」 足元に向かって巾寸法が絞ってあるせいでしょうか、座ってみると意外と小さく感じます。 畳の色によく合うクッションの革は、アニリンと呼ばれるもので、本来の革が持つ気持ちいい感触です。 前述のリボ社 シエスタに使われている革も同じ加工なのですが、柔らかさは違います。 私は優・・・

今年は「まちなか子供探検隊」の企画が実施できなかったので、すまいづくりセンターが主催する「すまいスクール」の親子模型作りに参加しました。 (建築と子供たちの活動の詳細は、日本建築家協会(JIA)京都会のサイトをご覧ください) 対象は公募の小学生20人と保護者の方々。 すまいづくりセンターや京都市の職員さん、そして日本建築家協会(JIA)京都会の有志メンバー・・・

ホームセンターで苗木を買ってきて5年ほどになるでしょうか、今年は桃が豊作です。 大きな桃が50個ほどとれ、中には売り物になるような綺麗で甘いのもありました。 葉ダニを取ったり、袋を被せたりと、けっこう手間がかかります。 収穫の時期も難しく、一日遅れると腐ってくることもあるので、毎日触って確認します。 栗の実ができるのを間近に見るのは初めてです。 小さいくせ・・・

京都の夏、鴨川の床 いいですね。 8月は建築家協会の納涼役員会。 この日は蒸し暑くなく、心地よい風に吹かれて、お酒もすすみます。 ・・・

勝手生え、という言葉通り、勝手に生えるんです。  かぼちゃは、タネが堆肥に雑じってしっかり生き延び、 プチトマトは落ちた実のタネが残っているのでしょう、畑のあちこちから生えてきます。 大根も花が咲いた後、タネや枝を細かく切って畑に蒔いたら芽が出てくるし、 じゃがいもは、去年 土にまぎれて獲り損ねたものが、いちばん元気に育っています。 紫蘇にいたっては、雑草・・・

15年ほど前の自作の椅子です。 すべて1本の100mm角の柱材から造りました。 着色は、リートフェルト仕立て。 座面の背の部分は90°なので、この椅子を4脚合わせると 四角いラウンジチェアーにもなるという考えでした。 時間をかけてきちんと寸法取りをし、ホゾの雄雌を正確に刻みましたので、美しい仕上がりを頭の隅に描きながら、自信満々で組み立てましたが、・・・

京都の北、精華大学の向かいにある、総合地球環境研究所の見学に行きました。 設計は日建設計。延べ面積は大きな建物ですが、外観を分節、中庭も設け、地形をうまく利用して周囲の風景と馴染ませています。 内部空間も天窓による自然採光、窓の高低差を利用した自然換気が取り入れられ、快適に感じました。 恥ずかしながら、このような建物があることを私、知りませんでした。 建物・・・

日本人デザイナー 新居猛氏の「ニイチェアー」。 デザインされたのは40年近く前。ずっと作り続けられています。 すごいですね。 事務所にある、1979年の古びた雑誌「モダンリビング」「暮らしの設計」に、さりげなく載っており、あらためて敬意を表します。 座り心地がいい、シンプルなデザイン、軽い、折りたためる、そして何といっても安い。 工業デザインの鏡です。 き・・・

(社)日本建築家協会近畿支部 住宅部会に所属する、関西の建築家65人を紹介しています。 第1版は1993年6月に発行されました。15年前です。 当時、設計事務所の所員だった私は、「こんな本があればいいのに」と思っていたところ、実物を目の当たりにして大変驚いたのを覚えています。 今では、いろんなメディアで建築家を見かけますが、この本は、そのさきがけとなるもの・・・

初めて連絡をいただいたのは、昨年の2月、本屋さんでの建築雑誌の立ち読みが、ご縁でした。 比良山を間近に望み、琵琶湖を見下ろす敷地に建つ住まいは、周囲の環境をそのまま生かして設計しました。 街なかには街なかの、郊外には郊外の設計手法があります。 たくさんの素材や工法が溢れ、地域性を受け継ぐことが困難になりつつある中で、その土地の周辺環境を素直に読み込んで設計・・・

琵琶湖畔のサイクリングロードから、山頂に雪の残る比良山系を望む   一年たちました。 オドメーターは、3660km、一日の最長走行距離は、93km。 まずは事故が無く、パンクなどのトラブルも皆無だったことに感謝。 この年齢になって、新しい世界が開けたことは嬉しいことです。 でも、体重は微妙に増え続け、 おなかの周りの ぽってり感がそのままなのは、・・・

炬燵が好きな私は、椅子にはあまり興味がありませんでした。 自宅のリビングには畳を敷き、寝転んでテレビを見ることもよくあります。 ところが近年、リラックスして座れる椅子が目にとまり、縁あって私の身近にある椅子について、思うところを書いた "建築と椅子" その2 ノルウェー リボ社の「シエスタ」です。 母へ椅子を贈ろうと決めてから、たくさん・・・

希望していたにもかかわらず、長い間良い機会に巡り合えませんでしたが、やっと見学することができました。 外部アプローチ 綴れ織(西陣織) 京都御苑内に建つ、内閣府管轄の迎賓館は、建築に携わる人間が、その労と時間を厭わず、国賓をもてなすために造られた、大きな伝統工芸品のような建物でした。 藤の間 なぜ「京都」なのか、という理由も含めて、「和」を極め、連綿と物事・・・

ヤコブセンデザイン デンマーク・Fritz Hansen社のアントチェアーとタンチェアー。   アントチェアーの座り心地は普通、でも3本脚はバランスが悪くて少々危ない。 クッションも無いので、住宅で使うのにはどうでしょうか。 デザイン性のある工業製品の椅子として全世界に普及しています。   タンチェアーは、この種の合板椅子の中では、僕は・・・

築19年のお住まいのリフォームと耐震補強工事です。 建て主さんは新築するかどうか迷われていらっしゃいましたが、床下・屋根裏等、建物の状態も良かったので、リフォームをお勧めしました。 1階部分は仕上げを全てリフォームしましたので、耐震補強も完璧です。  テーブルを含め、家具や建具、照明も合わせてデザインしています。  仕上げを新しくするだ・・・

大阪モーターショー 日産ブース GT-Rのカットモデルです。 まさに技術のニッサン、コンセプトカーも面白い。 デザインは、「?」です。 スカイラインクーペやZのシルエットは、大好きなのですが・・・。 そのほかの印象は・・・ 光岡の「オロチ」を見たあとのランボルギーニが、とても普通の車に見えたくらいです。 使ってみないとわからない性能と、見た目のデザイン。 ・・・

一般の住宅で、鬼の顔をした鬼瓦を使うことは少なくなりました。 沖縄のシーサーや、京都では鐘馗さんなどが、屋根に跨り、魔除けとして家を守ってくれています。 鬼そのものが恐い存在なのに、その鬼を使ってもっと恐いものを退治してもらおうとする考えは、面白いですね。 敵になったり味方につけたりと、人と鬼の関係は、良いのか悪いのかわかりません。 社寺建築の鬼瓦でさえ、・・・

私の所属する日本建築家協会(JIA)では、さまざまなセミナーや勉強会、見学会などが催され、 日々新しくなる建築材料や技術、幅広い知識の習得、研鑽に努めています。 特に京都会の役員の方々は皆さん熱心で、日常の仕事の傍ら、自主的にさまざまな催しの世話人となって活動されています。 JIA京都会の事業の一つで、先日見学させていただいた北村美術館・四君子苑は、久々に・・・

自転車で九条山を越えて京都の中心部へ行くなんて、考えたこともありませんでした。 山科の事務所から三条京阪まで、ドアトゥードアで25分。 速さも魅力の一つです。 オドメーターも2400kmとなり、登り坂のしんどさも、なんのその。 風を切り、アスファルトを滑る爽快感は格別です。 春に始め、雨にも負けず、厳しい夏を越しましたが、冬は大丈夫でしょうか。 寒いのは、苦・・・

ニューハウス誌 ムックNo.128「間取りが決め手の住まい」に、「高島町の家」(滋賀県高島市)が、紹介されています。 「高島町の家」(滋賀県高島市)は、少し前に竣工した別荘で、思い出深い建物です。 提示された予算は、桁外れに低く、ただ無碍にも断れず、試行錯誤の連続でした。 構造設計の先生と二人で、汗だくになりながらの地盤の調査から始まり、設計事務所との仕事・・・

近江八幡の市役所で調べごとを済ませたあと、旧市街地を散歩しました。 目当てのひとつは、出江さん設計の「かわらミュージアム」。 竣工後12年経ち、町並みに溶け込んでいます。 大きな施設を作るのではなく、建物を細かく分節し、周辺の木造住宅に馴染ませています。 高さも低く抑えられていて、軒裏に手が届きそうな、まさにヒューマンスケールな建物です。 新町通りの伝統的・・・

この9月から、京都市では京町家を対象とした、耐震診断事業が始まりました。 一般木造住宅の耐震診断は以前からありましたが、京町家は工法が異なるため、診断の計算方法が少し違います。 診断費用は¥5.000で、一般木造住宅の診断費用より少し高い設定ですが、是非、耐震診断を受けてみてください。 問い合わせ先:㈱京都すまいづくりセンター http://www.kyo・・・

月刊ニューハウス誌 07 10月号 「こだわりが詰まった1000万円台の家」に、「古海道の家・Ⅱ」(京都市山科区)が掲載されています。 建築家が設計する住宅でも、1000万円台で施工することはできます。 私の事務所でも何件かの施工例があります。 予算が少ない場合でも、一緒に考えてくれる建築家は、あなたの住む地域にも必ずいます。 まずは声をかけてみてください・・・

今年も「まちなか子供探検隊」に参加。 (活動の詳細は、日本建築家協会(JIA)京都会のサイトをご覧ください) 対象は公募の小学生30人。 京都市景観・まちづくりセンターの職員さん・市立芸大の学生さん、 そして日本建築家協会(JIA)京都会の有志メンバーと一緒に、今年は祇園界隈を探検。 弥栄中学を出発し、新門前通りの町家を見学させていただき、景観修景地区や、・・・

7年前に竣工した、お住まいのリフォーム(増築)です。 当初の予定通り、子供たちの成長に合わせて、間仕切り壁の増設と 庭に面したデッキの一部分をサンルームにしました。 ガラス屋根で覆われた半屋外のスペースは、明るくて気持ちのよい空間です。 敷地に余裕があれば、ぜひとも設計に組み入れたいですね。 外観は7年の年月を刻み、風合いを持つようになって、街並みに溶け込ん・・・

先日、建築家協会の見学会で、大丸ヴィラ(設計:ヴォーリズ)を見せていただきました。 竣工は昭和7年(1932)。75年前のコンクリート建築物です。 数年前にも大丸ヴィラの少し北側、赤レンガ建築の聖アグネス教会(設計:ガーディナー)明治31年(1898)、妻壁の美しい、平安女学院明治館(設計:ハンセル)明治27年(1894)も見学させていただきました。 デザ・・・

坪単価の表記に、明確な基準はありません。 一応の目安である本体工事が、どの範囲まで含むのかも決まっていません。 照明器具、造り付けの家具や棚、カーテン、エアコン、外回りの設備などは入っていない場合が多いようです。 面積の計算もいろいろです。バルコニーや物置、ロフトなども面積に加えれば坪単価は下がります。 ですから、数字を鵜呑みにしてはいけません、というのが・・・

阪神・淡路大震災では、公共建築物も含め多くの建物が倒壊しました。 建築の仕事をしていると、「やはり」という感想でしたが、同時に土木工作物(新幹線や高速道路の高架等)も被害に遭いました。 建築の技術者として、橋梁も含めて土木工作物には全幅の信頼を置いていましたし、どんなことがあろうと地震大国日本の土木は大丈夫、と考えていたのですが、これには「まさか」でした。・・・

同じトヨタの自動車です。 カローラの価格帯は約100万円~200万円、 レクサスISは約400万円~500万円です。 排気量の違いはありますが、車体サイズはそれほど変わりません。 この価格の差は何なのか?同じ車です。 カローラだってハンドルもあればタイヤも付いている。車として不足なんてありません。 レクサスを買う人は、どこに価値を見いだしているのでしょう?・・・

思い出深い現場が、また一つ増えました。 ご自身の仕事に対していつも真摯に向き合う、人間味溢れる建て主さんと、その後ろでしっかり支える奥さん。 お二人と進める今回の計画は、大変厳しく、また楽しいものでした。 建物を建てることは、やはりたいへんなことなのです。 施工をしていただいた小浜の工務店さんには、限られた予算の中、また多くの難題をお願いしたにもかかわらず・・・

また化学物質です。 人を幸せにするはずの研究、開発が、人を苦しめます。 大阪や京都の住民の体内には、他地域に比べて、すでに多量の有機フッ素化合物が蓄積されているそうです。 淀川支流の安威川では、世界最高レベルの水質汚染が確認されました。 フッ素樹脂は建築でも頻繁に使用されます。 汚れに強く、外装や屋根材の保護塗料として使われており、価格も高く、性能の良いも・・・

やはり、縁でした。 ネットで調べ、これと決めた自転車を注文しに入った専門店。 ところがそこで見た、中古自転車に一目惚れ。 シックな色、個性的なスポーク、ハンドルの形・・・そして魅力的な価格。 「これ、ください」と言うのをこらえ、店のご主人に2,3日よろしいですかと、商談中にしてもらい、衝動買いをとりあえず避けましたが・・・。 フロントフォークやフレームの材・・・

粟田小学校(現・白川小)卒業です。 並河靖之七宝記念館のすぐ近く、細い路地の奥の、白川に面した借家が私の育った家。 そこから数十メートルの白川沿いの土地で、設計の依頼を受けました。 大通りから少しはいると、そこは昭和の世界。タイムスリップします。驚くほど変わっていないのです。 そう、懐かしくて何度も歩き回り、写真を撮り、自転車でも走りました。 同級生の豆腐・・・

建築家の友人が、大型二輪の免許を取ったその日にハーレー乗りとなり、君も乗ればと誘われて、再びその気になって・・・。 16歳になってすぐ、絶対だめと反対された父に黙って二輪の免許を取り、父に黙ってカワサキの中古バイクを買い、それがばれてどれだけ怒られるのかしらん、と思っていたら何も言われなかった。 父はいったい何を考えていたんだろう。 RS、CB、GTの全盛・・・

モモの花、綺麗。 初夏には桃が実ります。 5,6㎝の玉になり、赤みがさして甘くなり始めるとアリがくる。 アリはとても興味深い昆虫で、大好きなんだけど、大きらい。 やっと大きくなった桃、食べたらあかん。 ・・・

3月7日です。家の桜は3日前につぼみがふくらみ、今日満開。 滋賀県和邇浜の現場へ行く途中、皇子山公園の桜も綺麗なピンクでした。 こないだの日曜日、子どもたちと野球をしたときも暑かった。 野菜が大きくなるのは嬉しいけれど、花の季節が早くなるのは嬉しいけれど・・・。 と、暖冬のことばかり気になりますが、とりあえずは目の前の仕事が、はかどりません。 小さな設計事・・・

いつもハクサイは失敗するのに、今年は葉っぱがカタマリになってくれて、ハクサイが収穫できました。 スーパーで買っても100円前後だけど、今年は買わなくてすみそうです。 ダイコンはすごく太くなって、土から下は3又4又に別れ、とってもブサイク。 ほうれん草もほったらかしなのに良く育ちます。 初めて種から育てたタマネギも、大きくなりました。 やっぱりどう考えても暖・・・

施主は、私と同世代の建設会社の社長です。 といっても仕事上のおつき合いがあったわけではありません。 ホームページや雑誌をご覧いただき、なんと初めて事務所でお会いした、その日に設計のご依頼がありました。 詳細図も含めて、家の設計図面くらい、ご自身で描くことはできますし、まして知らない建築家にどんな家を設計されるかもわからないのに、です。 嬉しいことです。 打・・・

私の事務所では、室内の建具は既製品を使わないで、全て建具屋さんに作ってもらいます。直接手に触れる取手や引手、レバーハンドルの材質や感触も大切です。 木で作るので、完成後何度か建具屋さんに調整してもらい、建具によっては落ち着くのに1年ほどかかる場合があります。 自然素材や無垢の木を使う時には、ちょっと長い目で見て下さい。 でも数年後には、同じ年月を過ごした家・・・

精華・学研都市にある「私のしごと館」建築家ブースで、建築家の仕事を紹介する講師をさせていただいています。 ある建築家の京都事務所に努めていた経験を持ち、現在も二人で設計の仕事をしている、私の家内と交代で、ひと月に1,2回担当しています。 同館の成り立ちや運営については、いろいろな意見があるようですが、それはさておき、ここでは子どもたちと接する時の、現場のお・・・

年老いた親の介護を どうすればいいのか。 病院、施設に預けられない場合は、家で面倒を見ることになります。介護に重点を置いた家の設計の相談も増えてきました。 以前のエッセイで、「バリアフリーは好きじゃない」と書いたことがありますが、これは健常者のお話し。 家庭内での事故も少なくありません。意外なことに、高いところからの転落よりも少しの段差での転倒が多いのが、・・・

 □■ 芸術として建築をとらえ、素晴らしい作品の創作に生涯を捧げ、私たちのお手本となる建築家がいらっしゃいます。建築の可能性やコンセプト、斬新なアイデアに重点が置かれている場合、それが許されるのは、ほんのひとにぎりの方々なのです。 一般的な建築物では「美」以前に「強さ」「使い勝手・性能」が優先されます。 しかしながら、技術・実務だけではなく、建築・・・

家の寿命は2~30年、各世代が家を建て、ローンを抱えているのが日本の現状です。 もったいないことです。 親が建てた家を子供が建て替えていたのでは、日本から木がなくなってしまいます。今、植えた木は、60年経ってはじめて建築材料になるのですから。 あなたが建てる家を あなたの子供が少しのリフォームで引き継ぐことができれば、それだけで素晴らしいことです。経済的な・・・

木は朽ちるもの。 皆、知っています。 建築もそうですが、街並みを構成する塀にも、かつては板塀や竹垣をよく見かけました。 腐るから、古くなるから、きたなくなるから、木の代わりに金属やコンクリート、プラスチックなどの石油化学製品を使います。 建物や塀を作る時に、いつまでも新品のようにきれいなままで・・・って思いますよね。 でも、考えて下さい。変わらないというこ・・・

成美堂出版 「建築家と建てた素敵な家」に、草津の家が掲載されています。       高島町の家を建築雑誌でご覧いただき、昨年3月 丁寧な内容のお手紙で、設計を依頼されてこられた建て主さんです。 建築に掘り出し物なんてありません、と、いつも建て主さんには説明しますが、時として良い大工さん、職人さんに出会うと、えっ、そこまでしても・・・

土は、人と切っても切れない縁があります。 建築では壁や塀の材料として長い間のおつき合い。でも本当の土壁は、お寺さんか、よほどの数寄屋建築でないとお目にかかれなくなったのは寂しいことです。 野菜も土から収穫します。ただ作ることが目的であれば、最近では土もお日さんも要らないらしい。そうではなくて、土があるとそこに小さな自然が生まれる、それが面白いのです。 草が・・・

建物を建てる時のマイナス材料、それが極限に近いほど私たち建築家は燃えてしまいます。 小さな家を設計する場合のキーワードは「兼ねる」「透ける(抜ける)」「ぎりぎり」。この三つを形にしていきます。 家具やスペースを兼用し、視線・光・風を透かし、寸法はすべてぎりぎり。こうすることで広がりと締まり感のある住まいになります。 どうぞ無理難題を押しつけてください。 建・・・

シックハウスが話題になってからの国の対応は早かった。 使用する建材の基準を明確にし、換気扇の設置を義務化しました。 これだけで安心してはいけません。建材にある「F☆☆☆☆」の標示は人が決めた一つの基準で、安全を保証するものではありません。ホルムアルデヒドは必ずしもゼロではないし、指定以外の化学物質はまだ使用基準さえない。 健康住宅とは、現代の技術や工法を使・・・

住宅設計では構造を木造にする場合が多い。予算的なことも含めて、住まいには最適だと感じます。 せっかく木で創るのなら昔の民家のように木組みも見せたい。設計も施工も数段むつかしくなりますが、そこは腕の見せどころ。  人が直接触れる床の素材は特に気を遣います。樹種、産地、材の厚さ、塗装の有無など住む人に合わせて決めていきます。  無垢の木の床・・・

「ローコスト住宅」というキーワードで、このサイトをご覧いただいている方に。 ふつうのお勤めの人が私たち建築家に住まいの設計を依頼し、無理なく生活を楽しんでいただけるようになればいい。そう考えて日々過ごしていると、建て主さんも若いご夫婦やサラリーマンの方々が多くなります。  建築雑誌やホームページで私の事務所をさがし当て、はじめまして と設計のご相・・・

一眼レフデジカメを買う。僕らが使える普及品はかなり安くなってきました。でもお気に入りの銀塩一眼レフの24mmレンズが使えると聞いていたのに役に立たない。そう、訳あってこのレンズをデジカメで使うと36mmになってしまいます。これでは建築の室内写真は撮れない。 結局カメラ本体よりお高いタムロンの11~18mm広角レンズを買わなくてはいけない羽目になってしまいま・・・

電動はあんまり好きじゃない。 いろんなものが電気で動く。ドアやシャッター、窓にカーテン、吊り戸棚も勝手に降りてくる。動く家もある。 便利なことが幸せなの? ひとつ楽をするとひとつ何かを失うらしい。 手を使えば っていつも思う。建て主さんには言えないけど・・・。 うちの事務所のガレージ門扉は手動の上吊り戸。その重量と大きさによって、開け閉めが一つの儀式のよう・・・

無担保、無保証人で信用保証協会を介して融資を受け、仕事場を建てました。 「景気よろしいなー」がほとんどの方の第一声。普通そう思いますよね。なにしろ新築ですから。   世間の目も気になるし、少し考えましたが、実は月々の返済は借りていたテナント料より安いので実行しました。もちろん建物は究極のローコスト(安価なものは必ず理由があります)、工期は外構込み・・・

京都在住、正直者の建築家 加藤さんと、思慮深い建築家 斉藤さん、そして私の3人で「A・Y・A」 (あや) というグループを発足しました。 独立した建築家の協働体はそれほど目新しくはありませんが、3人ともやる気いっぱいです。 複数の専門家が基本設計から現場監理まで直接関わることで設計のレベルアップを目標としています。一人の建築家の個性を最優先するのではなく、・・・

昨年11月から設計を始めた住まいができあがりました。 全体の印象は暖かで優しい木に包まれた雰囲気を大切にし、構造の美しさや木組みの安心感がただよう空間創りを心がけて設計しています。 内部空間は小さな4つのスペースを引き戸で繋ぎ、自由に空間構成を変えられるようにしています。 特にリビングとロフトを上下に仕切る「水平障子」は冬場の暖房効率に有効で、空間の変化も・・・

急ぎの仕事がない休日。 子供たちは友達のところへ遊びに行き、嫁さんもどこかへお出かけ。 一人になって、ふと何もすることがなくなることがある。 しあわせな時間なのか、そうでないのか。 車の雑誌でも買ってこよう・・・。 ヒーヒー言いながら、夜中まで仕事をしていた方がうれしかったりして。 そういえば「馬車ウマのように働くご主人」、という占いが気に入って 一緒にな・・・

子ども達の元気良さが、少しずつなくなってきました。 辛抱、我慢ができない、根気もない、自発的に行動しない、 家から出ない、外で遊ばない・・・。 親がなんでもお膳立てし、口出ししすぎるのも原因だそうです。 社会全体として、子ども達の成育環境を変えていかなくてはなりません。 文明や近代生活を、少し後戻りさせることはできないことですか。 物の豊かさではなく、時間に・・・

ローコストであることは、家創りにはとても大切なことだと考えています。 「家」そのものや「家を建てること」が、目的ではありません。 小さな家でも、安価な素材を使った家でも、 心豊かになれる場を、創ることはできます。 気持ちの良い空気に包まれ、心地よい時を過ごすこと、 またその器での生活こそが大切です。 建物にかかる費用が、その後の生活を変えてしまっては何にもな・・・

ATS造家設計事務所 一級建築士事務所(京都府登録)
京都市山科区大宅古海道町13-7 TEL 075-502-0606 FAX 075-502-0620