ローコスト住宅考
「ローコスト住宅」というキーワードで、このサイトをご覧いただいている方に。
ふつうのお勤めの人が私たち建築家に住まいの設計を依頼し、無理なく生活を楽しんでいただけるようになればいい。そう考えて日々過ごしていると、建て主さんも若いご夫婦やサラリーマンの方々が多くなります。
建築雑誌やホームページで私の事務所をさがし当て、はじめまして と設計のご相談。
会ってお話しを伺う。だいたいの総予算も聞きます。坪いくらでできるの?って質問もありますが、これから初めて創る家の坪単価は私にもわかりません。私の仕事は、建て主さんの希望をできる限り予算の枠に納めて形にすること、それも美しく機能的に。
「ギャラリー」にある高島町の家、横大路の家、一乗寺塚本町の家、大津千野の家、西京畦の街道の家、古海道の家・ⅠそしてⅡ、アトリエA、仰木の里の家、草津の家は1000万円台後半でできています。なかには1000万円台前半のものもあります。
私は建築家で、魔法使いではありません。土地と同じで建物も掘り出し物なんてありません。安いものには必ず理由があります。ここをこうしておけば、はい、ローコスト住宅のできあがり なんて簡単な方法もありません。一つ一つコストを落としていく地道な努力あるのみです。工務店さんにはいつも無理をお願いしていますし、もちろん建て主さんの覚悟と協力は不可欠です。
これはこれから事業を始める方がテナントの内装や新しい店舗の設計、事務所の設計を依頼されるときも全く同じ。返済なんて少ない方がいいに決まってます。
ただ安価なことがローコスト住宅ではありません。知恵を出し合い、無駄なお金を使わないことこそ大切なことなのです。建物ができあがるまでのいろんな過程も楽しんでいただけると、これもまたすばらしいことです。
ニューハウス誌 ムックNo.98「高島町の家」(滋賀県高島市)が詳しく掲載されてます。