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建築と椅子 その5

メディアにもよく出てくる、フランスの建築家コルビジェ デザインのLC4「シェーズロング」
足元に向かって巾寸法が絞ってあるせいでしょうか、座ってみると意外と小さく感じます。

畳の色によく合うクッションの革は、アニリンと呼ばれるもので、本来の革が持つ気持ちいい感触です。
前述のリボ社 シエスタに使われている革も同じ加工なのですが、柔らかさは違います。
私は優しい肌触りのこの革が好きですが、きちんとメンテナンスをしないと長持ちしません。
自然素材のお約束です。

LC4a.JPG LC4c.JPG

この椅子ひとつで空間の雰囲気が変わりますので、建築写真にはよく使われます。
奇抜な形にもかかわらず、寝心地は良く、長時間の使用に何の問題もありません。
そのつもりも無いのに、つい寝入ってしまうことも何度かありました。
ただし、座る時と起き上がる時は、ヨッコイショ という感じなので、気軽に腰掛けられないのが良かったり、悪かったり・・・。

難点が一つ。カッシーナ社のものは、気持ちが引いてしまうような価格です。
意匠権の期限が過ぎても、工業製品ではなく、工芸品のような「本物」として別扱いなのです。
リプロダクトとかジェネリックと言われる「偽者」でもイタリア製のものは、なかなかの値札が付いています。
意匠権の保護は永久でも良いと思うのですが、独占と引き換えに価格を抑えることはできないものでしょうか。

大量に生産可能な工業製品は、消費者へ安価で提供しないといけないと私は考えます。
ニィチェアーのように、多くの人にこの椅子を楽しんでもらいたいと願います。

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