ATS造家設計事務所

電動はあんまり好きじゃない

電動はあんまり好きじゃない。

いろんなものが電気で動く。ドアやシャッター、窓にカーテン、吊り戸棚も勝手に降りてくる。動く家もある。

便利なことが幸せなの? ひとつ楽をするとひとつ何かを失うらしい。

手を使えば っていつも思う。建て主さんには言えないけど・・・。

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うちの事務所のガレージ門扉は手動の上吊り戸。

その重量と大きさによって、開け閉めが一つの儀式のようです。施錠は、外部からボルトを差し込んで固定するというアナログなもの。

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床窓は数千円の点検口を流用、網戸は自作。

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トップライトはもちろん手動で開閉します。

バリアフリーも好きじゃない。

もちろんフラットな空間が不可欠な高齢者、障害者は別だけど、「普通の人」にも本当に必要?

もともと日本の建築は、段差が前提。庭から沓ぬぎ石、縁側を介して和室、床の間に至る、また建物の奥に入るにしたがって框を上がり、上段の間へと進む。部屋の格式も上がる。これはもう文化です。

少しの段差でつまずく前に、「気」と「体力」を充実させましょうね。建て主さんには言えないけど・・・。

高断熱 高気密、 んー、関西では中断熱 中気密でいいでしょう。

考えて下さい。一年を通して、窓を開けて風を通す日の方が多いでしょ?

悪いことではないので、予算があればどうぞ。これはいつも建て主さんに言ってます。

 

 

パパが建てるママの家というCMがありましたね。

全くその通りで、ほとんどの住宅はママのために設計します。

一方パパはお外でお仕事。事務系のパパは朝から晩まで、そして何十年もオフィスで過ごすのですから、働くところはパパのためにデザインしないといけません。

気持ちの良い空間に包まれていると、少し幸せな気分になれます。

働く場所だからって、辛抱する事はないと思います。

少なくとも、一日の時間の経過や季節が感じられると、ありがたいですね。