ATS造家設計事務所

滋賀県 近江八幡

近江八幡の市役所で調べごとを済ませたあと、旧市街地を散歩しました。

目当てのひとつは、出江さん設計の「かわらミュージアム」。
竣工後12年経ち、町並みに溶け込んでいます。
大きな施設を作るのではなく、建物を細かく分節し、周辺の木造住宅に馴染ませています。
高さも低く抑えられていて、軒裏に手が届きそうな、まさにヒューマンスケールな建物です。

新町通りの伝統的建造物群保存地区は、かつての町並みの風景をそのまま残しており、素晴らしい景観です。近江商人の町家が多いようでしたが、今でもどなたか住んでいらっしゃるのでしょうか。
古い建物が並ぶ通り沿いで、町医者さんの新しい診療所に、伝建地区への配慮ある設計がなされており、好感を持ちました。

保存に力を注ぐことも重要ですが、町並みを形成する古い木造建築は、いつかなくなってしまいます。
新しい建物に、その工法、材料、形の特性、地域性、精神性を引き継いでいくことが大切です。

遺されたヴォーリズ建築の数々も、近江八幡の財産です。

時間をつくって、今度はもっとゆっくり歩きたいと考えています。

kawara.m.JPG -かわらミュージアムパンフレットより-