一人で歩けなくなった母の移動のため、杉の厚板で木道を作りました。
湿原や公園で、木道を歩いた経験がありますか?
その踏みごごち、音や足裏に感じる無垢の木の感触はなかなか良いものです。
車椅子の走行もなめらかでスムース。
気持ち良く外出ができるようになりました。
仕事がら、介護についても多少の知識はありましたが、
時間をかけて衰えていく母の体力、日々善し悪しが変わる体調や本人のご機嫌も含め、
ケースバイケースの対応を強く感じる毎日です。
室内に付ける手摺一つでさえ、その位置や寸法を母の状況に合わせて考え、
取付けた後も使ってみて位置の微調整や追加をしたりと、
介護のためのリフォーム、たいへんです。
とはいえ、機能を満たすだけではなく、不自由な暮らしの中でも安らぎや潤いを感じられるデザインは大切です。
左のスロープは主屋へ行くために、右のスロープは玄関ポーチを通って外出用です。
玄関ポーチからは砂利を掘って木道を埋め込みました。
門扉や格子塀に合わせて、黒く塗っています。
杉板は根太を介して地面から少し浮いていますので、枕木などとは踏みごこちが違い、柔らかです。