ATS造家設計事務所

冬の暖房をどうしましょう?

基本は建物に通風、遮光、採光および遮熱、蓄熱の工夫をした上で・・・
夏を涼しくすごすには簾やよしず、落葉樹を植え蔦を這わせ、打ち水、風鈴、うちわ、蚊取り線香などなど季節感も楽しみのうちです。
それでも我慢ができない場合に扇風機、あるいはエアコンでの冷房が定番なので迷うこともないのですが、一方で冬の暖房方法は、いつも悩みの種です。

 

ヒートポンプの床置きエアコン、電気や温水式の床暖房、床下空間に放熱器を設置し窓際にガラリを付ける床下暖房、移動式のパネルヒーター、OMソーラー、薪ストーブや暖炉等々、暖房設備にかかるイニシャルコストもさることながらランニングコストも大いに気にかかります。

 

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多様な暖房方式の中で、室内の空気を直接暖めるのではなく、熱を放射する輻射式の暖房方式は、多くの人が心地良いと感じます。陽射しや焚き火の炎が持つ、優しい暖かさです。
風や対流に邪魔されませんのでダイレクトに暖かさが届きます。

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そんな輻射熱を利用した、蓄熱暖房機というものを最近設計した住宅で使っています。
オール電化を採用したいという建て主さんも増えてきており、深夜電力を利用し、レンガのような蓄熱体に夜間熱をたくわえ、日中放熱します。熱容量の大きいものは大変重く(300kgを超えますので、グランドピアノと同じくらいです)、もちろん固定式となりますが、20~25畳くらいまでの大きな空間にも対応してくれます。
吹抜けやワンルームの大空間を設計する機会が多いため、とても重宝しています。
ファンも付いており寒いときはファンヒーターのような使い方もできます。また機構が単純で故障も少なく、隠蔽しません (できませんと表現したほうが良い) からメンテも容易です。

 

 

 
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良いところばかりのようですが、そうではありません。
ひとたび熱をたくわえると、あとは放熱し続けますので、蓄熱した次の日に気温が高くても調節がききませんし、反対に寒い日にファンを回し続けて内部の熱がなくなってしまうと、ただ大きくて重たい鉄の箱と化します。
部屋の大きさや断熱性能、そして人の感じ方にもよりますが「とっても暖かい」というものではなく、主暖房になりえない場合もあります。
また湿度は確実に下がりますので、乾燥に弱い人は注意が必要です。

デメリットもよく理解いただき上手に使ってもらうことができれば、暖かで快適な冬を過ごすことができるでしょう。